USAツアー完走【BABYMETAL WORLD TOUR2018観戦記】
DARKSIDEのBABYMETALのUSAツアー、単独7公演、フェス1公演が終了した。
少し長い夢を見ていたかのような気がするというのはロマンチスト過ぎるだろうか。
次のライブでは2017年までと同じような3人のBABYMETALになっていて、あれ後のダンサーはどうしたの?なんて周りに言うと、どうしちゃったの?なんてキョトンとされるような気がする。
藤岡さんもなんでいるの?
そりゃあ、藤岡さんいなきゃはじまらないでしょう。
1月に藤岡さんって・・・
自分で撮影した画像、他の方が撮影した動画を見直して、やはりあれは現実だったのだということを理解する。
5月8日のカンザスシティのライブはとにかく衝撃だった。
それ以降、3人の姿を見せないBABYMETAL。
そして4月1日FOX DAYのお告げ。
LIGHT AND DARKNESSは何を意味するのか?
想像するにYUIMETALが出てこないことは覚悟しての渡米ではあったが、まさか本当に出てこないとは思わなかった。
更に今まで大好きだった3人のBABYMETALとは大きく違ってしまっていた。
in the name ofの衣装も、
直前に音源が発表され、はじめてライブで見るDistortionも、
新曲Elevator Girl、Tattooも、
ぶち上がるばかりの曲、メギツネ、ギミチョコ、KARARE RORも、
ただひたすら見惚れるだけのTHE ONEも、
まったく気持ちはあがってこない。
ステージ上で起きていることを消化するには1時間のライブでは私には短すぎるのだ。
ライブ終演後、仲間と会場近くのラーメン屋にラーメンを食べにいった。
ライブ終演後といえば、音楽に詳しい人でも、もあちゃんに爆レスもらったとか、すぅさんがとんでもなくカッコよかったなどとだいのオトナが大騒ぎ。
それがとにかくどんより。
来なきゃよかった。
だまされた。
なんてことを言う人もいた。
翌日からの高いチケットを押さえているライブどうしようかと私も考えていた。
後半は後半でホテルのシェアなどの友人の約束もあるしなぁ、移動の飛行機も押さえているし、途中帰国は難しいかなぁ。
せめて、6月1日からはじまるヨーロッパツアーは行かないでもいいかな、なんて真剣に考えていた。
何もかも戸惑っていた。
YUIMETALがいないこと。
筋肉ねえさんズと名づけたダンサーふたり。
SU-METAL、MOAMETALが前後になるダンスフォーメーション。
衣装。
段差があるステージ。
神バンドソロなし。
SU-METAL、MOAMETALの笑顔が少ないことも。
SU-METALのメイクも気になった。
とりあえず次の公演、Austinではドセン近くでしっかり見届けてやろうと早朝から整理番号を取った。
それでも受け入れられず、好きになれなかったら、それまでだ。
BABYMETALを好きで追いかけているのは楽しいのだが、正直、仕事や生活をかなり犠牲にもしている。
そろそろ現実に戻るべき時なのかもしれないとも思っていた。
私はかなり前からBABYMETALという存在は知っていたし、武道館のライブなどにも誘われ、DVDも見たことあったし、2014年のロンドンフォーラムかな、のライブビューイングにも行ったのが最初のBABYMETALである。
正直、今ほど心を掻き立てられるようなものは感じなかった。
ユイモアがあまりにキッズ過ぎて、受け入れてはいけないと感じていたのだと思う。
2015年の新春キツネ祭りに友人に誘われてはじめてライブに行った。
正直書けば、ライブパフォーマンスに興奮したというより、ピットの盛り上がりぶりに興奮した。
何がこんなにみんなを熱狂させているのか知りたい。
とくに海外でも受けているというので、海外の人も同じように熱狂しているのか知りたい。
そんな好奇心からメキシコ、トロント、シカゴの3公演を見てみて、熱狂している意味がわかったとともに、その熱狂の中に身をおきたいと思う自分がいた。
帰国後5日後くらいのメトロックでこれは凄いと確信。
翌日に一週間後からはじまるヨーロッパツアーのチケットとエアーチケットも取っていた。
そして現在に至っている。
そんな経験からもしかして数回見ていくうちに好きになれるかもなぁと期待はしていた。
Austinでは最前ほぼドセンのため、とにかく目の前はセンターに出てきたSU-METALかMOAMETALしか目に入らない。
一曲目のin the name ofで、目に涙があふれているのがわかった。
彼女たちはいえば何もしていない。
マスクをして、杖を持って、曲にあわせてまわしたり、床をトントンしているだけなのだ。
でもカッコいいんだなぁ、この世界観。
もう決定していた。
自分はこのBABYMETALも好きだ、大好きだ。
YUIMETALに対して後ろめたいものも感じるのだが、好きになものは仕方ない。
今まで何度も思ってきたことだが、AustinでもSU-METALってこんなにカッコよかったっけ?
MOAMETALってこんなにキュートだったっけ?
ダンスは今更だが世界レベル。
相当鍛え上げてきたことがわかる。
端の角度があるところから見ると、まず筋肉ねえさんズのダンスが目に入り、その奥にMOAMETAL、SU-METALのダンスを目にするようになることがある。
そうなると筋肉ねえさんズが大柄なだけに、SU-METAL、MOAMETALのダンスが小さく見えてしまうことがあるようだ。
正面から見ると、ダンスが凄い。
SU-METALのElevator Girl、 Tattooのダンスは今までと違った妖艶さを感じた。
MOAMETALはとにかくキレが半端ない。
YUIMETALの不在で空いた心の隙間を力づくで感動を埋め込んでくる、そんな気迫さえ感じた。
こうなったら3公演目となるダラス以降は楽しむだけだ。
たまには俯瞰で楽しむのもよいと考え、2階のバルコニー席に入れてもらった。
Austinはいっても最前ドセンだったから感動したんじゃないかな。
ここは落ち着いてみて見ようなんて思い見始めたのだが、なんてことはない、Austin同様、カッコいいを連発しながら泣いていた。
特にピットの盛り上がりや、シートの席も盛り上がりが見えて更に泣けた。
もしかして、シートの人たちはシラッとした感じで見ているのかなぁと思い、時々様子を見ていたのが後ろの方までこのBABYMETALに感動している様子だった。
4公演となるヒューストンでは再び最前ドセンに入ってみた。
ここで気がついた。
あれ?! こんなにSU-METAL、MOAMETAL笑ってたっけ?
MOAMETALのお茶目さが炸裂していた。
彼女たちも公演を重ねるにつれ、余裕が出てきたかもしれない。
ちなみにこのベーをやられたルームシェアメイトはあまりの衝撃に3年間過ごしてきたクールキャラが崩壊。
ただのドルオタになった夜だった。
というか、筋肉ねえさんたちって笑わないキャラかと思いこんでいたが、コール・アンド・レスポンスの時に、メッチャ笑顔で驚いた。
5公演目のAtlantaでは撮った画像を見て、なんじゃこりゃと思った。
MOAMETALはもちろん、SU-METALがとんでもなくkawaiiなのだ。
DarkSIDEはkawaiiは封印したのだと思っていた。
あれれ? あれれ? って感じで、SU-METAL、MOAMETALの前からやっているステージのお遊びで変顔などがあるが、今はすれ違う場面でちょっとふざけたり、マイクを持ってない手で渡そうとしてみたりと楽しい。
多分、あれが彼女たちが、リラックスして最高のステージパフォーマンスをするためのトリガーなのだろう。
私達観客に見せているわけではないが、ふたりの関係性がよくわかり、見えると嬉しい。
6公演目となるシャーロットではピットの横にあるバーのシートを確保して、そこから鑑賞した。
友人3人で見ていたのだが、最後に3人ともいてもたってもいられずピットに飛び込み、ウォールオブデスに参加、サーフした。
平均年齢50歳、ひとりはもう4年ぐらいBABYMETALのライブに参戦しているはずだが、初めてのサーフだった。
7公演目となるナッシュビルは多分、BABYMETALにとってかなり重要なライブだったのだろう。
ナッシュビルは音楽関係者が多く住み、大きな賞などの審査員も住んでいるらしい。
開演前にはいかにもセレブですという感じの団体が会場を出入りしていた。
それまでの6公演ではBABYMETALはいろいろなことを試していた。
メイクは特に変化を感じたのはSU-METALのメイク。
かなりキツく感じる時もあったし、観音様のようなナチュラルな微笑みメイクの時もあった。
MOAMETALも目のまわりが赤い時があった。
筋肉ねえさんズは目の周りが黒、赤と交互だった。
ナッシュビルではトラブルがあった。
はじまる直前に雷雨があり、雷鳴とともに、ステージ奥に閃光が走った。
その後、ついていた照明が消灯。
オープニングアクトのSkyharborは30分遅れ、BABYMETALは15分遅れでのスタートだった。
途中で電気系統のトラブルなどないだろうか。
2016年のダウンロードUK、ダウンロードPARISのトラブルが蘇る。
しかし、結果的には今までどおりの素晴らしいステージパフォーマンスだった。
ところでフェスはどうするのだろうか?という疑問が残る。
まず二段のステージは設置するのか、後からの照明は使えるのか。
筋肉ねえさんズも出演するのか、などなど。
ROCK ON THE RANGEがはじまってみると、結局は今ままでやってきたライブ通りのBABYMETALだった。
ただ違ったのはフェスならではの会場の盛り上がり。
2年前のシャーロットのフェスのようなサーファー祭りだった。
私も縦柵を掴んではいたのだが、ギミチョコで抜けて、近くの現地の人に頼んであげてもらった。
合計3回、宙に舞った。
しあわせな時間が過ぎていった。
8公演を体験して、カンザスシティの戸惑いは何だったのだろうかと思っている自分がいる。
BABYMETALは期待を裏切らない。
いや、時に裏切ってくれるが、そこには期待以上のものが待っている。
YUIMETALがいなくてこれだ。
いたらどうなっちゃっうんだろう。
その瞬間、自分が正気でいられるか自信がない。