単独最終公演 ユトレヒト二日目【BABYMETAL WORLD TOUR2018観戦記】
2018年6月6日。
昨年までのBABYMETALのライブとの違いのひとつに熱狂的なファンが減った気がする。
そう思う理由のひとつは徹夜して並ぶ人がいなくなったことである。
昨年のロサンゼルスはたくさんの人が徹夜していたし、その前年もサンフランシスコなどでは徹夜組が多数いた。
USAもEUも結果的に夜通しした人はいるにはいたが、致し方なくという感じで、徹夜して並んだという感じではない。
今回のユトレヒトははじめての海外2DAYSである。
当然のごとく、何人かは初日のライブが終わって、そのまま並ぶものと思っていた。
思い出してみたら、そういうことしていたのってYUIMETALファンだった気がするので、当然のことかもしれない。
朝5時過ぎだっただろうか、LINEで並びはじめてますよ、という連絡があり、ホテルから2分だったこともあって駆けつける。
いつものメンバーに朝の挨拶。
こうやってツアーを追いかけているとやらなきゃいけないことがいくつかある。
そのひとつは洗濯。
USAが13泊15日。
EUが10泊12日。
途中でTシャツなどは買い足していくというものの、全日の着替えを持っていくのは不可能。
合間、合間にホテルのランドリーや近所にコインランドリーをさがして行くことになる。
今回はニュルンベルクとこの日、ユトレヒトでコインランドリーに行った。
ちなみにコインランドリーの探し方は今は簡単。
グーグルマップにLaundryと打ち込み、検索。
クリーニング店なども引っかかるが、お店の画像が掲載されているため、画像を見たらコインランドリーかどうかはっきりわかる。
営業時間も表示される。
ホテルで聞いても知らなかったりするので、グーグルマップが手っ取り早い。
マシンの使い方は直感的に操作していけばなんとなくわかる。
コインランドリーを訪ねて、街歩きをすることになるし、その途中で思わぬ発見もあったりして、楽しい。
ユトレヒトではミッフィーの出身地ということで信号がミッフィーになっているものがあるが、他にはこんなのもあった。
オランダでは自転車がかなり優遇されており、自転車道が広く設定されている。
歩く時は注意が必要だ。
さて、コンサートは昨日と同じ会場、同じシステムということで安心して入場ができる。
時間配分もわかっているので物販で購入したものはホテルに置きに行った。
クロークに預けるよりもホテルに置いてきた方が何かと気が楽だ。
さて、今回の狙う場所は決めている。
昨日の上手の階段の真逆、下手の階段の最前だ。
この日の入場は全体の6番だったので、ドセンから左右3人目には入れるという計算で、今回のフォーメーションだとそこら辺がベストポジションと言われているのだが、ユトレヒトしかないこの位置を確保した。
前日のライブでこの階段が神ポジションだと知った観客が次々と階段を目指してくる。
それも下手ばかり。
確かに大村さん、BOHさんが見やすい位置ではあるし、MOAMETALのあおりは下手の方が多い気がするが、SU-METALはどちらかと言えば上手の方が多い。
それでも下手ばかりに人が集まる。
外国人も下手に集まってくる。
下手に着た外国人を見ると、大村孝佳と書いたオリジナルTシャツを着ていたり、藤岡幹大追悼のTシャツを着ている。
私の横に着た外国人女性も大村さんのファンで、はじまるまで「オームラサン、ダイスキ!」と声をかける練習をしていた。
オンタイムでDreamstateがはじまる。
今日もDreamstateのボーカル姉さんは会場に飛び込み、盛り上げる。
いつかSU-METALが会場に飛び込んでくる日があるのだろうか。
その瞬間を想像して興奮する。
ケイオンなど日本の文化が大好きでBABYMETALのライブとなるといつも最前で激しく頭を振って目立っているシンガポールの青年はゆいちゃんファン。
ゆいちゃんが出演しないことがわかり、THE CHOSEN ONEのチケットは譲り、一般入場。
ピットに飛び込み、ライブの度に数度に渡るクラウドサーフをしている。
彼は貴重品どうしてるのかなぁと思っていたが、答えがわかった。
BABYMETALがはじまる前に私達のところに来て、預かってほしいと言ってきたのだ。
財布とシンガポールのパスポートとスマホの3点セットだ。
なるほど、毎度、そうやって信用できそうな人に預けていたのか。
いいよと私が預かり、カバンの中にしまう。
ただし、私も最後は行く気だったので、そのカバンをまた違う人に預けてしまった。
ユトレヒトははじめての海外2DAYSの記念すべき場所。
更に海外の3日連続公演というのもはじめてのはず。
日本では昨年の5大キツネ祭りの赤坂ブリッツがあるが、地元だし、会場は同一だ。
2日連続ということでもしかしてセトリ、内容を変更してくるかもと期待をしたが、昨日とまったく同じだった。
ただし自分が見ている位置が違うので、それだけで違うコンサートとなる。
メギツネ、ギミチョコなどでMOAMETALがすぐ目の前まで寄ってきて、かなり長い時間立ち止まってくれた。
自分と同じ高さに立っていることがなんとも貴重だ。
私の方がかなり背が高いので自然とかがむことになる。
今回のセトリはパーフェクト過ぎる。
ダレる時間がなさ過ぎて、あっという間にRoad of Resistanceになる。
ここで階段のポジションを捨て、ピットに降りることにした。
Wembley以来友人としてつきあって頂いているLONDON在住の日本人女性が今回のライブに参戦。
お昼にご飯を食べた時に軽く「サーフしてみます?」と言ってみたところ、「してみようかな」と返事。
そういうタイプとは思ってなかったので驚いたのだが、この彼女の冒険に立ち会えるのは嬉しい限りだ。
昨年のロサンゼルスでも引率した女性を最前、モッシュピット、ウォールオブデス、サークル、リフト、サーフと初体験してもらったという思い出がある。
手をきつく握り、ピットに降り、人垣を抜けて、ウォールオブデスのサークルができているところまでたどり着く。
ウォールオブデスから一緒にとも思ったが、思った以上にみんなデカい。
ウォールオブデスは後方見学して、サークルで走り出したところで少し参加。
うぉうぉうぉで、リフトして、テンポが変わったところでサーフで流した。
その後、私も流れて、またピットに戻る。
この日は単独最後ということもあって、まぁ、そうでなくてもいつもか、ピットで楽しくて仕方なく、ピットで知り合いを見つけると日本人、外国人関係なく、片っ端から上にあげていた。
今回のツアーからは一番サーフが多いのはTHE ONE。
この夜もそうだった。
こうしてBABYMETALの2018年のWORLD TOURの単独公演はすべて終了した。
あとはDOWNLOAD FESSを残すのみ。
ここまで見てきて感じていたのは、最初に思った通りだったということ。
これはBABYMETALにとって緊急事態。
YUIMETALの不在、藤岡幹大さんの急逝。
なんとかクォリティ、ブランドを維持するために行ってきた努力の結果である。
目標は達成できたし、違う魅力の発掘にもなったかと思う。
しかし、イイネ!やCatch meなどで見せる3人が縦列になって、順番に顔を出したりするダンスが恋しくて仕方ないのも事実。
YUIMETALがいたらなぁという気持ちが薄れることはなかった。
音楽に詳しくない私でもBABYMETALの音楽にとって、藤岡幹大さんのギターがどれほど魅力になっていたかも今ならわかる。
全身汗だくではあったが、カラダの芯からは汗が出てきてない気がしたのは私だけだろうか。